2年近く見てきて、阿部監督の思考が大体わかったので備忘録代わりに残しておく。
選手起用について
全般的に
阿部慎之助は開幕メンバーを中心にシーズンを戦うつもりであると考えて良い。この開幕メンバーをプランAとする。
開幕メンバー+α(当初のプランA)
◆ 投手
大勢
戸郷翔征
井上温人
山崎伊織
田中将大
F.グリフィン
赤星優志
田中瑛斗
A.バルドナード
高梨雄平
船迫大雅
泉圭輔
石川達也
堀田賢慎
R.マルティネス
◆ 捕手
甲斐拓也
大城卓三
岸田行倫
◆ 内野手
湯浅大
増田大輝
吉川尚輝
門脇誠
坂本勇人
岡本和真
浦田俊輔
中山礼都
◆ 外野手
長野久義
丸佳浩(怪我で出遅れ)
萩尾匡也
T.キャベッジ
E.ヘルナンデス
オコエ瑠偉
若林楽人
シーズン中にプランAに加わった選手
中川、ケラー、西舘、泉口、リチャード
プランAから外れた選手(今期1軍で見る可能性は低い)
バルドナード、堀田賢慎、萩尾、長野久義、ヘルナンデス、浦田俊輔、湯浅大
こうしてみると
意外と入れ替わってない?そう思う人もいることだろう。しかし、今年一年巨人を応援してきた人は知っていると思うが、リチャードを除く9人は4月段階でプランAに入る or 外れている。なんと阿部監督は途中獲得選手を除き4月の時点で1年戦力を見極めを完了しているという驚きの結果なのである。しかも、リチャード以外のプランAに加わった4人は2024年にプランAだった or だったことがある選手たちだ。さらにいうと、プランAから外れた選手は浦田を除き、2軍でよくない成績にも関わらず返り咲くチャンスを何度も貰っている。
さて、上記のプランAをさらに細分化してみよう。明らかに重用されている選手は赤字、冷遇されている選手は青字。
先発ローテ
山崎伊、井上、赤星、グリフィン、西館、戸郷
上記の選手が怪我ないし不調に陥った場合(先発サブ)
田中将大、又木、森田、横川
リリーフ(以下から調子に応じて選択)
R・マルティネス、ケラー、大勢、石川、高梨、泉、平内、田中瑛、船迫
捕手
岸田、甲斐
第3捕手以降 or 代打
大城
一塁
リチャード
二塁
吉川尚輝
三塁
岡本和真
遊撃
泉口
外野(唯一固定じゃない)
キャベッジ、中山礼、丸佳浩
内野控え
門脇、増田大
外野控え
若林、オコエ
代打
坂本
今後今シーズンのプランAに入る可能性がある選手
佐々木、増田陸、浅野、乙坂、荒巻、小林誠司、又木、森田、宮原、菊池
ほか、冷遇されている選手
浦田、山瀬、今村(、秋広)
上記の詳細な概説(読まなくていいヨ)
- 大城は8月の阪神戦で猛打賞を放ったが以降スタメン起用なし。ちなみに8月打率.438 OPS 1.007。甲斐が8月に怪我をしたが、それ以降も捕手として起用なし。1・2軍でひどい成績を残している小林のほうが今シーズン捕手として守ったイニングが多いことからも大城を捕手としてみていないのは明らか。
- 坂本は8月以降明確にスタメン起用が減り代打での起用が増えた。岡本が三塁固定となっているため冷遇されているというには難しいが、リチャードを固定する理由にはならない。
- リチャードは後半戦が始まってから8月中旬までいい成績を残し愛人起用に応えていたが、以降さっぱり。中旬までの好成績(OPS.800ぐらい)込みでも8月のOPS.668。ほぼ間違いなくリチャードトレードは阿部監督主導である。一方1軍で悪くない成績を収めており守備も破綻していない荒巻(1軍で.296 OPS .747 選球眼がよく出塁率.377)は8月に2軍落ち。増田陸は好成績を残しシーズン中盤までレギュラーで固定、後半戦は不運なスタッツで成績を落とし、愛人のリチャード優先で2軍落ち。
- 上記の通り、1・2軍で全くいい成績を残していない小林(36歳、1軍ではOPS.639あるが運が非常に良くスタッツが終わっている、2軍では.241 OPS.594)はなにかあると1軍、2軍で通年打撃好調の山瀬(24歳、2軍で.326 OPS .808)は1軍起用なし。
- 泉(1軍防御率8.64)・平内(1軍防御率5.68)は怪我から復帰して大丈夫そうだと見るやすぐに1軍。2軍で通年好成績の今村は一軍登板0。菊池(1軍防御率1.80 K-BB%24.4)も抜群の指標を残していたがなぜか2軍落ち。ほか、山田・馬場・戸田は少し試されて2軍落ち。泉・平内は2024年度シーズンでプランAだった選手である。
- シーズン途中獲得の乙坂をスタメンで試す気がまったくない。なら獲得するな。
- 浅野はちょっと起用したが上記のプランAに勝っているところがないと考えたのかすぐに2軍落ち。
- オコエはオープン戦絶好調でも若林に開幕スタメンを奪われる、悪くない成績を収めていてもすぐにレギュラー・2軍落ち、2軍で絶好調の時期も見極め優先でヘルナンデスが先に1軍昇格するなど枚挙がない。
- 秋広は2023年に.270 2桁ホームランでブレイクするが、守備難を嫌われて干され、結局トレードで放出。ならセンター丸やったり送球に難がある浦田に一軍でほぼ未経験のサードを急に守らせないでほしい。
まとめ
阿部監督は開幕メンバー+4月の見極め+自分主導でシーズン中に獲得した選手でシーズンを戦うつもりらしい。これらの選手は見た目の成績が悪くても何かあるとすぐに1軍に上げるor固定(泉、平内、高梨、小林、バルドナード、ヘルナンデス、湯浅大、リチャード、増田大)
一方、上記に含まれなかった選手は、好成績でも一軍に上げない(去年の有象無象のリリーフ、今年の今村山瀬石塚)・見切って以降は好成績を挙げても2軍幽閉or代打専門(去年の泉口、今年の浦田、増田陸(リチャードを見ていると可能性がある)、坂本) or 、プランAに勝てないと思ったのか少し起用して2軍落ち(馬場、山田、戸田、菊池、浅野、乙坂、三塚、フルプ、岡田、荒巻)、2軍に落とす理由はないがどんなに結果を残そうがレギュラーで起用するつもりがない(大城、オコエ)
つまり、プランAが破綻したとき、それのカバーが全くないのである。シーズン中どこかでコケると立て直せない。
阿部慎之助監督から最も遠い言葉は「抜擢」。今年の先発陣のように全く駒が足りなくなる場合を除き、敗戦処理や代打から1軍起用を始め、接戦時やスタメンでちょっと使ってみるが、上記の通り95%の選手はプランAに勝ってないと判断し2軍落ち。この繰り返し。
今年は岡本ほか多数主力の怪我で擁護の余地はあると見せかけてない。
試合中の采配について
投手に関しては中盤までは普通。阪神の優勝が99.9%決まった7月以降になぜか先発を我慢できずすぐにリリーフにスイッチしたりするようになった。シーズン成績のわりにホールドとセーブ多すぎ(=優勝が狙えないシーズンで勝ちパの浪費)。
野手に関しては、ご存知の通りバント(先頭打者四球でバント、2点ビハインドノーアウト12塁でバント、タイムリーを打った選手にバント…イライラしてきた)、盗塁・エンドラン失敗でチャンスを潰しまくる、守備固めと代走を全くうまく使えない(郡、鈴木大和を見ても明らか)、愛人起用が功を奏していい選手を温存しているので代打成績は12球団トップクラス、野手を休養させるという概念がない(特に怪我持ちの吉川をフル出場させ続け案の定コンディション不良、ショートを守れる門脇がいるのにも関わらずセンターラインの泉口も出ずっぱり)。災害レベル。
まとめるといいところはないです。
結論
選手起用→4月までで形成したプランA頼み。抜擢なし。愛人枠あり。2024年のプランAを引きずっている。
投手采配→無難だったが、シーズン途中から先発を我慢できなくなったのは打低で覆い隠されていた部分だったのだろう。ゴミ。
野手采配→災害
おまけ
敬愛する原前監督がいかにシーズン中のアドリブが上手いかを示すデータを紹介しよう。
2023年開幕当初の主なメンバーは以下の通り
先発
戸郷、山崎、グリフィン、メンデス、ビーディ、横川
リリーフ
大勢、鍵谷、赤星、直江、船迫、大江、代木、ロペス
スタメン
7オコエ
4吉川
9丸
5岡本
3中田
6坂本
8ブリンソン
2大城
2023年終盤のメンバーは以下の通り。太字は新しく加わった選手や大きな変更があった選手。
先発
戸郷、山崎、グリフィン、メンデス、横川、菅野、赤星(先発転向)
リリーフ
バルドナード、船迫、菊池、高梨、中川、大勢
スタメン
9梶谷(※開幕1軍かつ半レギュラーだった)
6門脇
5坂本(コンバート)
3岡本
2大城
8丸
7秋広
4吉川
開幕から一貫して安定していた先発、不動のレギュラー吉川岡本大城を除き流動的に選手を起用していたシーズン。成績できちんと大城を不動のレギュラーとして評価、小林をうまい具合に干す、優勝が狙えないと見るや貴重な勝ちパターンの登板を抑え、来年いない可能性の高い選手でイニングを稼ぐ(ビーディ・K鈴木・三上など、シーズンごとの投手登板数を見ればわかるが、イメージとは裏腹に優勝を狙えないシーズンはリリーフをとても大事にしている(2003,2006,2022,2023))ゴミだったリリーフを立て直す、坂本をショートの聖域にせずサードコンバート、若手の門脇と秋広を起用し続ける(今のリチャードと変わらないじゃないか、と思うかもしれないが、門脇は守備面・秋広は打撃面で使わない理由がなかった。リチャードは代わりがいくらでもいる)、野手の休養の概念がある(吉川をたびたび休ませ、坂本や丸のベテラン勢も途中交代多め)。2019-2021年の優勝争いの後遺症で夢も希望もなかった2022年から一転、2024年優勝の礎となったシーズンであり、優勝だけでなく戦力を整えることができることも証明して勇退。
おまけ2。AIにまとめさせた
阿部慎之助監督の選手起用・采配を総括すると、「開幕時に決めたプランAのメンバーで1年を戦い抜く方針を徹底し、シーズン途中の柔軟な抜擢や戦力入れ替えがほぼ行われない」という点に尽きます。結果的に怪我や不調でプランAが崩れると立て直し不能になることが最大の弱点となっています。
阿部監督の起用方針
開幕メンバー中心主義
シーズン前に決めたプランAを軸に戦い、4月段階でほぼ戦力を固定。その後の起用変化は最小限。愛人枠の存在
成績不振でも起用され続ける選手(泉、平内、高梨、小林、大城の捕手起用外し、リチャードなど)が顕著。抜擢なし
2軍で好調でも昇格させない、もしくは少し試した後すぐ2軍落ち。若手の台頭を促す姿勢が見えない。
主な歪み
投手起用
・前半までは無難だが、シーズン中盤以降は先発を我慢できずに早期降板→リリーフ乱用。
・勝ちパターンを無駄に酷使し、優勝が見えないのにセーブとHPが多すぎる。
・2軍成績が良くても今村や菊池らを使わず、復帰しただけの投手を即重用。捕手起用
・大城を正捕手として扱わず、打撃成績が良くても代打・ベンチ要員に固定。
・小林は1軍での実力不足が明白でもなぜか多くのチャンスを与えられている。野手起用
・坂本は代打に追いやられ、リチャードを一塁に固定。
・オコエ、大城、増田陸など結果を出しても干されがち。
・浅野、荒巻、乙坂など伸び代のある選手を試す姿勢が薄い。采配面
・小技(送りバント、エンドラン)を乱発し機会損失。
・代走・守備固めの使い方がちぐはぐ。
・怪我がちな吉川を休養なしで酷使→案の定コンディション不良。
結論
長所: シーズン前に描いたプランを信じる一貫性。
短所: 抜擢のなさ、一部選手の過度な優遇、調子より序列重視の起用で柔軟性ゼロ。
「開幕プランA+序列主義」で成り立つため、怪我や不調で穴が空いた途端に崩壊する構造になっているのが本質的な問題です。
阿部監督の野球観からは「慎重さ」「信頼を裏切らない起用」が透けて見える一方で、原前監督のように成績や状況で柔軟に入れ替える運用とは真逆であるため、フルシーズンを戦う上では非常に不安定です。
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