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ハリー・ポッター その心情を追う 

チェイス

Huluで全部見れるようになったので、昔とは少し印象が違うところもあると思い、書くことにした

多分にネタバレを含むので、一応、見ようと思っている人は注意してください

賢者の石

そもそも、この作品全体のキーワードは勇気、愛(友達、家族)

作品開始時点で、ハリーは勇気はすでに持ち合わせていたが(当時、そこまで仲良くなかったハーマイオニーを救うために危険を冒してでもトロールに立ち向かったこと、その他様々な出来事からも明白)、友達、家族を知らず、愛されていたが、愛することを知らなかった、これが、ハグリッドに連れ出されるまでのハリー

この物語を通じてハリーが永久に手に入れたのは友達、一方で、みぞの鏡の件からもわかるとおり、家族、何より、愛されることを心から欲していたこともわかる

秘密の部屋

基本的に、賢者の石と話の流れはあまり変わらない

ここでのハリーに対するキーポイントは、ロンの家、隠れ穴へ泊まりに行ったこと

今まで、ダドリー家しか家族を知らなかったハリーは、ここで本当の家族の温かさを知ることになる

アズカバンの囚人

ここが1つ目の大きな転換点、血のつながりはないものの、実の父親のような存在である、シリウスと知り合うことになる

今まで、家族と一緒にいた時間が存在しなかったハリーにとって、シリウスがかけがえないの存在になることに、そう時間はかからなかった

しかし、ハリーたちの行動によって、一度シリウスが救われたものの、結局運命は変わらない、彼の道に待っているのはただ1つである

登場時から、死が決定していた、とても悲しい人物かもしれない


J・K・ローリングさんの巧みなところは、いきなりシリウスとの邂逅を描くのではなく、そこにルーピン、ジェームズとリリー、そしてシリウスと非常に親しい仲だった人間を挟んだことである

ルーピンとハリーが親しくなっていく過程を経て、ハリーの、家族や愛を求める心はより高められるので、描写としても非常にナイスだし、秘密の部屋までの同じような流れを踏まないとこにも繋がる

なお、ホグズミードにハリーが行けない描写、理由はハリーに両親も保護者もいないから、だが、これも、次回作の炎のゴブレットと対比で描かれる、家族を持たないハリー、そしてシリウスという家族同等の存在を持ったハリー、である

炎のゴブレット

この物語は、アズカバンの囚人で描かれた、物語の転機をより明確に表したものである

具体的にいうと、はじめて死というものを目撃し、ヴォルデモートが復活したこと、サブ的な意味では、そう、恋だ

今まで、ハリー・ポッターでは恋愛描写は控えめだったが、それは、主人公たるハリーが興味を示さなかったから、今作では、ダンスパーティというそこそこ大きなイベントをもって、初めてそれが描かれる

ハリーの心情の揺れ動きとしては、不死鳥の騎士団のほうがはるかに書くことは多い、明確には大きな出来事があったけど、そういう意味では、そこまで述べることがない物語と捉えることもできる

不死鳥の騎士団

セドリックは殺され、ヴォルデモートは復活した、しかしそれを世間で認めてくれる人間はそう多くなかった

この物語のハリーは、今まででダントツで荒れている、俗にいう反抗期というやつだ

唯一家族といってもいいシリウスとはほとんど会うことができない、親代わりとなりえるダンブルドアは、彼を守るためとはいえ、彼から1年間故意に遠ざかった

残念なことに、彼を諭す役割を持つ人間は、いなかった、ルーピンが教員として残っていれば話は変わっていたが、これはたらればだろう

世間から疎まれ、ダンブルドアには避けられ、シリウスとは会えない、しかし、彼がすがれるものはあった、そう、親友である

しかし、この巻のハリーは、誰も自分を理解してくれないと感じ、孤独でいることを望んだし、ロンやハーマイオニーとですら一緒にいることを拒むような描写すらあった

謎のプリンスと比べるとよくわかるが、ロンとハーマイオニーと一緒に冗談を言い合うような描写、この不死鳥の騎士団では1シーンしかない

しかし、この1シーンは、ヴォルデモートを、ハリーの中から追い出そうとするシーン、ハリーは愛を知っている、ヴォルデモートは知らない、そのシーンにおいて、確固たる存在感を示した

これ以降、ロン、ハーマイオニー、ハリーは、今までのような関係に戻る、より強固になったといっていいかもしれない

ハリーがこの物語で失ったものは大きい、シリウスという唯一の家族と呼べる存在を、たったの2年でなくしてしまったのだから

しかし、このシリウスと、少ないながらも共に過ごした2年間は、彼が知らなかった、家族、愛というものを教えてくれた

そして、セドリックの死亡、シリウスの死亡、この2つを乗り越えた彼は、大きな精神的な強さを手に入れた


この時点で、ハリーは、勇気、友達、そして愛されているという実感を手に入れた、失ってしまったものの、家族の温かみを知ることも出来た

この4つ、特に愛は、ヴォルデモートが知らないもの、持たないものであり、今後、特に大きなキーとなるものである

なお、誰かを愛すること、この物語では、そこまでには到達しえなかった、次巻まで待つことになる


なお、この物語からキーパーソンの1人、ルーナが登場する、彼女は母親の死を目撃した人物であり、今作における、唯一のハリーに対する真の共感者といっていいかもしれない

一つ残念なのは、親友という設定のはずのジニーとルーナの交友が、映画ではあまり描かれなかったこと


もう一つ、スネイプ最悪の記憶という、重要でないように見えて、かなり重要な話で、リリーを登場させるべきだったかも もしかしたら、スネイプとリリーの関係を知らされていない可能性は…ないと思うけどね

謎のプリンス

様々な困難を乗り越え、ハリーは精神的に落ち着きを取り戻した、どころか、一段階成長した

今作は、冒頭から、ロンやハーマイオニーと冗談を言い合うシーンが再び見られるようになるが、これは不死鳥の騎士団と大きな対比である

この話で、ダンブルドアが亡くなってしまう、これは、ホグワーツが帰る場所ではなくなったこと、そして、第2の父親代わりになっていた彼が死んでしまったこと、そして、次回作、死の秘宝で、ハリーは成人となる、これらのことは、つまりハリーの独り立ちを意味する

また、ついにジニーと付き合うことになり、これによって、ハリーは、愛すること、愛されることの両方を真の意味で実感することになった


賢者の石の開始時点において、ハリーは、勇気、愛(というか友達、家族)のうち、勇気はすでに値するものを持っていたものの、愛することも、愛されることも知らなかった

しかし、6年という歳月を経て、愛というものを知り、実感し、与えることさえできるようになった、そして、いろいろな意味で保護されてきたハリーも、ついに独り立ちのときを迎える


ヴォルデモートと戦う準備が、整ったのである


そして、分霊箱破壊、打倒ヴォルデモートへの最終決戦が始まる…


死の秘宝

特に、書くこともない、今までの6作を経て、大きく成長したハリーが、ようやく面目躍如、主人公的活躍を見せる巻であり、心情的な部分で、ハリーに関して述べることは特にない、ロンはいくらでもあるけど…

あとがき

小学生のときは、ただワクワクしながら読んできたハリー・ポッターシリーズだけど、現代文的な解釈を行っても、整合性が取れていて、その巻で登場する新しい登場人物にも、きちんと役割をもたせているな、と感じた、伏線の貼り方が見事であった

昔とは違った視点で作品を楽しむシリーズ、おもしろいかもしれん


あと、時間が足りないから仕方がない部分もあるとはいえ、きちんと楽しむなら、原作をちゃんと読むべきですね

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