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正しくない正義について

正しくない正義について

コロナ騒ぎ、いつになれば収まるのだろうか、全く先の見えない中で、ある勢力が徐々に悪目立ちしていることを皆さんお気づきだろう。

所詮、「自粛警察」というやつである。


確かに、依然としてコロナウイルスの脅威に晒され、緊急事態宣言が出ている中で、マスクもせず、外に出歩くだけでなく、電車に乗り、飛行機に乗り、自分がコロナウイルスに感染しているとは露程にも思っていないか、あるいはウイルスをバラまいてもなんとも思っていないか、他国であれば射殺されてもおかしくないような人々は存在する。(少し言葉は強めだが、実際にそういう国はある)


身近な例を1つ挙げよう。


春休み前に、大学側から「遠方への外出を自重するように」というお達しがあったし、ご丁寧に健康管理表まで配布してきた。春休みの帰省をモチベーションにそこそこ頑張ってきた2ヶ月が水の泡になるのは少し悲しかったが、こういう国家の一大事は国民の意思統一が絶対条件であると信じている俺は、帰省をせず、アパートでのんびり過ごした。何より、大学側の圧、というより懇願にも似た何かを感じた。

しかし、蓋を開けてみると、この春休みに帰省した生徒は半数近くにも上り、その行き先の大半は、東京や大阪といった大都市だった。

このことに俺は大いに失望させられた。たかだか1週間弱の帰省が大勢の人にとってそこまで急を要することだとは思わなかったし、ついでにいうと、属している学部のことを考えれば、俺たちこそ、しっかりとした態度で臨まなければいけないと感じていた。だからこそ、特に後者の点でとてもショックを受けた。

にも関わらず、帰省から戻ってきた途端、「大学はどうなるのか」「単位はどうなるのか」「こんな対応で大丈夫なのか」…そういった質問が学務課に浴びせられているのを見て、むず痒くなったし、こいつらと一緒に将来やっていかなければいけないことにげんなりした。なんて自己中心的な人間が多いのだろう。確かに人間は自己中心的なものであるというのは当然のことではあるが、いつまでガキのままでいるんだ。何を今まで学んできたのだろうか。他人に対して要求するなら、まず自分の義務を果たす必要がある。

もし俺が「自粛警察」の一員であれば、Twitterで鍵もかけず、大々的に悪口を述べていたことだろう。

不満を抱いているのは事実だし、育った環境如何によっては、仲間入りしていたifも存在したと思う。

このように考えてみると、俺だけでなく、誰しも「自粛警察」の素質を持っていると思う。何事に関しても不満を抱かない人間など存在しないからである。


一方で、ほとんどの人間は、そういった不満を公に吐露することは極めて少ない。特に大人は尚更だ。理由は書かなくても推測できる。その不満を吐露したところで、特にこの年にもなって想像力の及ばない人間に対して、到底響くことはないことに気づいているからである。

つまるところ、「自粛警察」も「想像力の及ばない人間」なのである。もっというと、彼らは「正義」を振りかざしている自分に酔っているだけなのだ。

最近では、「自粛警察」が県外ナンバーの車に嫌がらせを行う、ということも起こっているらしい。彼らを「想像力の及ばない人間」とくくるには、あまりに甘いとすら思わされる。


しかし、俺は、この記事を通して、「自粛警察」は「想像力の及ばない人間」であり「正義」を振りかざす自分に酔っているだけ、というありきたりな批判をしたかったわけではない。

近頃では、何かと悪い方向に使われがちな「正義」という言葉について、「自粛警察」の話を通じて考えたかった、という意図があった。


では、一体「正義」とは何だろうか。


大辞林 第三版によれば、俺達が一般的に用いているであろう「正義」の意味はこうである。

”正しい道義。人が従うべき正しい道理。 「 -を貫く」”

世間においては、この人が従うべき正しい道理は2通り存在すると俺は思う。誰がどうみても正しい道理と、自分にとっては正しいかもしれないが人によっては正しくない道理、この2つである。


コロナウイルスを例にあげれば、前者は、外出するときはマスクをすることを怠らない、三密を徹底すること、であり、後者は、「何が何でも自粛」と「自粛の徹底よりコロナウイルスと上手く付き合う方法を探すべきだ」という大きな2つの派閥である。後者の2つの派閥は、どちらにも根拠と理があり、対立関係にあるが、立派な「正義」だと思う。


では、県外ナンバーに嫌がらせを行うことは、果たして「正義」を振りかざす行為と定義していいのだろうか。俺はこれをノーだと考える。

確かに、彼ら「自粛警察」にとっては「正義」なのかもしれない。しかし、県外ナンバーに嫌がらせをすることは、果たして誰がどう見ても正しい道理なのだろうか?

つまるところ、「正義」とは、「人が従うべき正しい道理」であることを大前提とする必要がある。


だから、近頃インターネットで用いられる、「正義マン」という単語は、「正義の鉄槌を下していると勘違いしている自分に酔っている人」を指すのであって、「正義」を振りかざしている人を指しているわけではない。なぜなら「正義マン」の行っていることは、絶対的な尺度で正しい道理ではないからである。彼らは自分が正しいと考える正しくない尺度で人を裁く自分に酔っているだけだ。

「正義」というかっこいい言葉を、こんな奴らに用いてはいけないし、もうちょっと大事にするべきだろう。


ただ、俺は書いていく中で一つの矛盾を発見した。

「正義マン」の行っていることは、絶対的な尺度で正しい道理ではない。しかし、先程述べた、コロナウイルスに関する2つの派閥の存在を「正義」として認めた。つまり、俺は対立関係にある絶対的な尺度が存在することを認めたというわけである。

絶対的な尺度が2つ存在する、これは大きな矛盾である。


この矛盾を解く方法は1つ、自分にとっては正しいかもしれないが人によっては正しくない道理を正義と認めないことである、と俺は思う。

つまり、「正義」とは、絶対的に人が従うべき正しい道理、と定義するべきである。だから、世間でよく言われているような、「個人個人の正義」は、あくまで自分の中の尺度における絶対的な正しさであって、この世の中における絶対的な正しさと必ずしもイコールではない。つまり、「個人個人の正義」は、あくまで「自分が正しいと思う考え」に過ぎないと思う。

だから、よく言われるような、「正義」と「正義」のぶつかり合いというものは存在しないのではないか。なぜなら絶対的な尺度を持つ「正義」がぶつかることはありえないからである。ともすれば、「自分の正しいと思う考え」をより表面的に強めるために「正義」という言葉を用いる人間がこの世の中にはたくさん存在するように思えるし、これもまた「正しくない正義」なのだろう。

「正義」という言葉は、絶対的な正しさ、重みのあるものであり、俺達はこれから大事に使っていく必要があるだろう。あまりにこの世の中には「正しくない正義」が横行しているように感じられる。


余談だが、俺ははるか昔、10年ぐらい前にも「正義」についてちょっとした考察をしたことがあったが、そのときある友人に「君の述べている正義は正しくない」と批判された。確か、当時の俺の結論は、「人それぞれの正義がある」だったと思う。その友人は、詳しくは覚えていないが、「絶対的な正義は存在する」と主張していたと記憶している。

当時の俺は、なぜ自分の意見が批判されたのかがわからなかったし、多少イラつきもした。しかし、この記事を振り返ってみると、間違っているのは俺のほうで、正しいのは友人だった。このモヤモヤが晴れただけでも、実りのある考察だったと思う。

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