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2024年 セ・リーグを振り返る

1位 読売ジャイアンツ

閉塞感の中5割を彷徨っていた4.5月、ソフトバンクを含む4球団に勝ち越すも楽天オリックスの裏ローテに6タテ食らって負け越した交流戦、唯一順調に強かった7月、投打が噛み合わず東京ドーム広島3連戦で優勝できないと思った8月、広島の急降下とともに阪神とのギリギリの戦いを繰り広げついに優勝した9月。大変なシーズンだった。

投手陣は大幅に改善された。先発は赤星メンデスが誤算も菅野が復活、2軍で無双していた井上がついに花開き、戸郷グリフィンとともに12球団トップクラスに4本柱を形成した。リリーフも大勢ケラーを中心によくやっていたと思う(最もこの2人以外は信用していなかったが)。

打線は去年と比べ飛ばないボールの影響をもろに受け、本塁打数が半分くらいになり、坂本大城が絶不調、期待を背負った秋広はほとんど2軍暮らし、オドーアに至っては開幕前に帰国するも、救世主ヘルナンデスモンテス、岸田若林オコエ浅野が日替わりで活躍、そして丸吉川岡本がシーズンを通じてチームを支えた。何より12球団トップクラスの内野守備は幾度となくチームを救った。

結局今年の巨人が優勝した理由は2つ。1つはちゃんとやるべき補強をやったこと。穴だった外野は若林を獲得、オドーアが退団するや否や筒香の獲得に動き、失敗してもヘルナンデスモンテスを取ってきた。もう1つは投手野手ともに目立った弱点がなかったこと。これが優勝を争った残り3球団との差だったと思う。

阿部監督に関しては全く評価していない。なぜなら阿部監督はプランBが全くなかったからだ。先発、リリーフ、野手、いずれも新戦力の若林ヘルナンデスモンテス以外全く代わり映えのないメンツが1軍にずっといたと思う。今年はそれでも優勝できたからよかったが、一貫して不安定だった先発6番手、大勢ケラー以外全く信頼なかったリリーフ、岡本吉川丸以外いくらでもいじりようがあったスタメン並びに控え野手。パッと思いつくだけでも投手で言えば馬場畠伊藤山田菊池近藤大、野手で言えば喜多秋広萩尾。このあたりの選手がちょっと試されても、結局バルドナード泉平内、小林増田大湯浅立岡佐々木を使っていた。極端なのが本人の中で見切りをつけると重用していた大江泉口、全く使われなくなった。まとめると、本人のなかで1軍メンバーはほぼ固定(プランA)で、試しに使っていても替えるほどじゃなかったから2軍に送り返す、を繰り返していただけにようにしかみえない。プランAがうまくいかなかったらどうするのか、の回答がヘルナンデスモンテスの外国人ガチャを当てる、は答えになっていないだろう。バントに関してもそうで、特に病的なまでに3塁まで進めるバントを愛用していた(そしてそのほとんどはやらないほうがマシだった)。好調時の岡本吉川でも犠牲フライや内野ゴロでランナーを返すことはできていなかったようにしか見えなかったが、それでもやり続ける彼のどこに柔軟性があるのか。

一番理解できなかったのは小林と岸田の重用。スタメンで使えば5番、盗塁阻止率もよくキャッチングも相変わらず上手い大城をなぜ捕手として評価していないのか。右投手相手に打率.100もなくフリーパスの捕手がなんでスタメンに出ているのか、明らかに攻守ともに精彩を欠いた選手がなぜ使い続けるのか、全く理解できなかった。小林に至っては本来なら今年構想外でもおかしくなかったレベルだ。もし大城がFAで出ていったら100%阿部監督のせいである。

俺が原監督をとても評価していたのは、戦力を整えるのがうまく、何よりプランAがダメだったときのプランB、Cを出して立て直し優勝までもっていたシーズンが3つもあるからだ(2008、2014、2019)。今年の巨人の布陣に関しても、門脇中山(秋広)平内井上横川赤星を我慢して使っていたのも原、去年の後半戦大勢船迫高梨バルドナード(中川菊池)でまともなリリーフを構築しようとしていたのも原、坂本をサードにコンバートしたのも原、強力先発陣を作ったのも原、岡本吉川大城を一本立ちさせたのも原。申し訳ないが今年の巨人はフロントが同じであると仮定すれば立浪監督レベルの災害でもない限り、90%優勝していただろう。全てが上振れていた広島、得点圏がおかしなレベルで振り切っていた阪神を相手に、得点圏が一貫して終わっていて投手の運だけマンも後半戦収束した巨人が優勝した。指標でいえばもっと差をつけて優勝しなければいけなかったのだ。この事実を踏まえるとそういう結論に達さざるをえない。今年のソフトバンクが5番近藤というやばすぎるムーブを通年やっても独走優勝したのを見るに2位以下とある程度の戦力差があれば誰でも優勝できる。2010年代のソフトバンク、3連覇時代の広島、去年の阪神。

今のNPBの監督に求められていることは難しくない。贔屓ではなく成績、実績ではなく現在の成績で選手を起用する(村上岡本など替えがきかないごく一部除く)、安牌を挟まず打てる順に打順を組む、試合中は極力バントや盗塁をさせない、野手をフル出場させず休養を設ける、リリーフの3連投を避ける、負け試合をうまく作る、ベンチメンバー、2軍、3軍全員で戦う、突発的に中4・5をやらない。これを積み重ね戦力を整え、優勝に導く。優勝はフロントやドラフトのファクターが大きすぎるからチームによっては難しいにしても、残りはそんなに難しいことだろうか?

これが大まかにできている監督は千葉ロッテの吉井監督とオリックスの中嶋監督ぐらいではないか。去年日本一の岡田監督は全部できていないし、今年優勝の阿部監督も負け試合を作る以外ダメ、小久保監督もまともなリリーフ起用以外できていないと思う。毎日のように~監督やめろと言われるのも納得である。立浪監督はそれでも異次元なレベルにあったが、新井三浦高津新庄今江もまあまあひどい。西武は誰がやってもどうしようもないので評価しようがない。

話が脱線してしまった。

今年優勝した巨人だが、2軍もここ最近若手を重用しながらずっと強く、プロスペクト軍団と呼ばれており、未来は明るい。他球団の惨状を踏まえると少なくとも5年はAクラスが固いだろう。

しかし、久しぶりの1位で臨んだファイナルステージはDeNAに完敗を喫し、短期決戦で勝てないというイメージをぬぐうことができなかった。

投手や守備はそれでもシーズン通りの姿で強力DeNA打線を抑え込んだ。しかし、巨人打線はまさに地獄だった。前半戦のキャリーのヘルナンデス、後半戦のキャリーの吉川尚輝を欠くと岡本ワンマンチームとなり、その岡本も徹底的に勝負を避けられできることがなかった。

今年のCSを通じて改めて思ったが、守備で勝ってきたチームは短期決戦限定であまりよくない。どうしても打球の飛ぶ方向は短期的には収束しない。試合を積み重ね大きなギャップを生むものだ。リーグ最多エラーを記録したDeNA守備陣はどこへいったか、堅い姿を見せた。巨人の鉄壁守備陣は健在だったか、レギュラーシーズンの巨人vsDeNAの大きなギャップを生んていた一番の要因の間違いない守備の差だった。ここに差がなくなり打線が沈黙するとどちらがセ・リーグ優勝チームかわからなくなってしまった。同様に歴代級の守備力で優勝したソフトバンクは超強力打線も保持しており日ハムをストレートで破り日本シリーズに進出した。短期決戦を勝ち抜くには守備力だけでは厳しいことを表している。

そして短期決戦でも阿部監督はやはり無能だった。1試合目増田大スタメン、短くバットを持ってもバットに当たらず壁性能皆無の岸田の重用、好調の選手を分断する打線の組み換え、特に6試合目に期待できる門脇岡本坂本中山の間に絶不調の選手を置き、代打大城を消費して岸田を小林に替え、小林(代打出せない)立岡の並びを作った。最善を尽くさずして負けるのは必然だろう。いくらでも試すチャンスがあったのにもかかわらずスガコバに固執したツケが最後の最後で来てしまった。

投手陣はよくやったが、運だけで抑えていた高梨船迫バルドナードに代わって平内泉畠伊藤菊池山田を全く僅差で試さなかった弊害も6試合目に現れていた。

総評すると、未来はとても明るいが、阿部監督には今すぐやめてほしい。複雑なシーズンだった。なにかの間違いで中嶋監督来ないかなぁ。

2位 阪神タイガース

去年リーグ優勝&日本一を達成、特に戦力の低下なく迎えた2024年だったが、前半戦の主軸の低迷及び投手に誤算が多く、後半巻き返すも連覇を逃してしまった。

特に残念だったのは、入団以降安定してチームに貢献してきた伊藤将と中野の不調だろう。彼らが例年通りに働いていれば優勝を狙えたはずだ。

それでも、依然として主力は若く、そこに森下という未来の4番が加わった。先発もしっかりしており、来期も急激に弱くなることは考えにくい。外国人野手という上がり目もある。

一番の問題は先日退任が発表された岡田監督だった。オープン戦からシーズン、順位決定後に至るまでスタメンを固定、つい先日戦力外が発表されたが、1軍の弱点ポジションかつ2軍で好成績を収めていた若手3人が首を切られた。もちろんこれが岡田監督の独断とは思わないが、今年の阪神が1,2軍の循環が非常によくなかったのは確かだ。

阪神の監督在期7年で優勝2回Aクラス6回日本一1回という好成績にもかかわらず、岡田監督を名監督とは全く思えないのは、2003年の90勝した戦力と、2022年の超下振れして3位(得失点差は60ぐらいあったのに借金3で負け越し)の戦力を引き継いだだけだからだ。上記に述べた、NPBの監督に求められていることを何一つできていないのが本当にしんどい。選手を使い潰すだけ潰して退任、真弓・森脇同様に後任が苦しむことは間違いないだろう。

3位 DeNAベイスターズ

2022年から毎年強みが変わる謎のチーム。今季は梶原の台頭とオースティンが怪我をしなかったことによりセ・リーグトップクラスの打線を形成した。

問題は打線以外いまいちだったこと。先発は東筆頭にそれでも踏ん張ったが、リリーフは信頼できず、守備走塁は相変わらずダメだった。

伊勢エスコバー山崎康晃、今永バウアー、梶原牧オースティン宮崎山本、どれも噛み合うことがなかったことが非常に惜しい。もっとも2022年に優勝が難しい中で前述のリリーフ3人を使い潰した三浦監督が一番悪い。

しかし、CSでは見事に下剋上を達成した。東の穴を投手陣全体が、山本の穴を戸柱が埋め、日本シリーズ進出を決めた。守備が穴のチームだったが、短期決戦の特性上弱点となりきらなかったのも大きかった。

来期も課題は変わらない。(オースティンが離脱でもしない限り)打力が急に落ちるとも思わないし、逆に投手守備走塁が急によくなるとも思わない。しかし、弱点が改善されない限り、今年の巨人阪神広島といった投手力・守備力が高いチームにペナントで勝つことは難しいだろう。ただ、山本松尾森梶原度会という希望もあり、先発陣さえ整備できれば優勝争いに絡める可能性は十分ある。

4位 広島東洋カープ

8月までのカープは矢野らの堅い守備で強力な1点を守り切って勝ちきるチームだった。しかし9月になると上振れていた先発陣が一気に収束、ただの打てない弱いチームになってしまった。

今年の広島が非常に苦しいのは、ベテラン偏重で期待の若手皆無、リリーフ酷使してAクラスも入れなかった、ただ単純に戦力を使い潰して終わっただけ。今年という大きなチャンスを逃した以上、来季の展望は非常に暗いだろう。第2の西武ライオンズになってしまう可能性を秘めている。

広島のおかげで指標の有用性を改め実感したシーズンだった。

5位 ヤクルトスワローズ

塩見山田村上で勝つチームで、塩見がほとんどおらず、山田は低空飛行、村上もシーズン終盤以外2022年ほどの姿を見せることができなかった。この順位は必然だろう。

広島同様未来はとても暗い。WARマイナスのオスナと大型契約を結び、キャリーの村上は来年メジャー挑戦が確実視されている。塩見山田も年齢を考えると上積みは期待できない。かといって2軍に目立った有望株がいるわけではない。広島同様近い将来西武ライオンズになるかもしれない。

6位 中日ドラゴンズ

3年連続最下位という芸術的な記録を達成した。

上でいろんな監督を評価できないと述べてきたが、立浪監督は次元が違った。巨人ファンの頭を悩ませた岸田小林重用問題を細川除く全てのポジションでやっていた。さらに最下位でリリーフを酷使する。本当に救いようがない、災害レベルの起用を繰り返した。立浪監督なら今年のソフトバンクぐらい突き抜けてないと優勝できないと思う。

一方で、村松福永石川細川岡林ら若くコアになりうる選手は揃っており、石橋ブライト田中らもいる。酷使の影響さえなければリリーフは盤石であり、一番の弱点である先発が改善されればAクラスに入れるポテンシャルはあると思う。

おまけ 個人的有能監督ランキング(2005~)

S 原

A ヒルマン、落合、中嶋

B 野村克、ブラウン、吉井、伊東勤、矢野

原は上記の通り。投手起用が少し微妙だが、それ以外はちゃんとやっていたし、何より野手起用とシーズン中のアドリブがダントツで上手い。ベンチメンバー、2軍、3軍全員で戦うということができていたのは原ぐらいだと思う。

ヒルマン、落合、中嶋は当たり前のことができていたから優勝できるシーズンは全部持っていった。Bの監督は戦力が整えるのが上手かった。

特にブラウン監督は再評価しなければいけない。優勝が狙えないチームは毎年ブラウンでいいレベルで整備が上手い。元をたどって3連覇の礎となったのは間違いなくブラウン監督だろう。原ヒルマン落合ブラウンのいいとこ取りを目指すべきである。

吉井、伊東勤は限られた範囲内でのやりくりがとても上手。矢野は優勝キャリアがないのがとても残念。岡田に手柄を全て横取りされてしまったような感じがする。

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